2017-11-15 14:10:00
本日は、ラーセンより発売された新弦「イル・カノーネ」についてご紹介します。
商品名である「イル・カノーネ」という名前は、当時パガニーニが使用していた愛器「デルジェス」のニックネームから取られたものです。
系統としてはピラストロのオブリガートに近い音色ですが、実際に弾いてみるとより明るさや柔らかさが際立っている印象を受けました。
音自体の輪郭もしっかりとした太さを持っており、エヴァピラッツィなどとは異なる類の迫力が全弦を通して感じられます。
また、かなり多くの倍音が感じられるのと同時に、良く開いたクリアな音色を持ち合わせているのも特徴かと思います。
張力の弱い弦だとレスポンスの低下などの心配なども出てくるかと思いますが、そちらも非常に優れている印象を受けました。
張力が弱めな分、弦を押さえ易いため、ハイポジションなども比較的演奏しやすい感じです。
張力の強い弦の特徴とも言える、音量のある輝かしい音色に比べ、イル・カノーネのように張力の弱い弦は柔らかく暖かな音色となります。
一見、張力の強い弦の方が音量・音圧に関して優れていると思われるかもしれませんが、楽器を豊かに響かせることで弱い張力でもボリューム感を生むことが出来るため、楽器によっては弱い張力の弦が適しているケース*もあります。
*古い楽器に張力の強すぎる弦を張ると、多くの負荷が掛かり過ぎてしまい、楽器のコンディションに悪影響を及ぼしてしまうケースがあるため。
今までそういったお客様には基本的にガット弦をお勧めして参りましたが、今後はガット弦以外の新しい選択肢として、一度「イル・カノ―ネ」をご検討頂くのも良いかもしれません。
また、「イル・カノーネ」には「ミディアム」と「ソリスト」の二種類の弦があります。
「ミディアム」…立ち上がりの良い発音と、素直でクリアな響きが特長。
豊かでパワフルな音色と音圧を兼ね備えています。
テンションは柔らかめに作られています。
「ソリスト」…ミディアムのパッケージをベースに、赤い帯模様が一本入っています。
ミディアムの特性を生かしつつ、更に明るく輝かしくなった響きが特長です。
エッジの効いた存在感と、深く豊かな音色との両方を持ち併せています。
気になる方はぜひ一度お試し下さい。
それでは、本日もご覧頂きまして誠にありがとうございました。
皆さま良い一日をお過ごし下さい。