2017-11-19 13:31:00
本日は、ニスのやすり掛けを行っています。
表板の中央部分、普段は駒が立っているはずの場所が、全体的に白っぽく曇っているのが見て取れるかと思います。
こちらの部分、元々は下の写真の左上部分のように、完全にニスが剥げ、表板も抉れてしまっていました。
ニス補修前の様子を撮り忘れてしまったため、少々ピンぼけしていますが、こちらの写真でご容赦下さい。
この部分は長年駒が立ち続けている場所なので、摩擦や熱などで徐々にニスが剝がれ、木地の白い部分が露出してしまっています。
古い楽器には比較的良く見られるダメージなのですが、このまま放置すると更に剥がれの範囲が広がることは勿論、ニスの層を介さずダイレクトに木そのものにダメージが入るため、後々の耐久度などにも大きく影響が出てきます。
以上の理由から、今回はニスの補修及び色合わせに取り掛かりました。
また、木の抉れている部分に関しても、ニスを少々厚めに塗ることで補修をしてあります。
あまりに酷く抉れているようだと、抉れて薄くなってしまった表板が駒からの圧力に耐え切れず、割れたりひびが入ったりなどといったケースもございます。
駒付近がどういった状態になっているか、定期的に目視でチェックして頂き、もしも異常が見らるれようであればお早めにお近くの工房へお持ち下さい。
一枚目の写真はまだ途中経過の時の物なので、これからサンドペーパーで更に少しずつ磨き上げ、表面がなだらかになるよう仕上げて行きます。
磨いた後の様子は、また後日ご紹介する予定です。
それでは、本日もご覧頂きまして誠にありがとうございました。
皆さま良い一日をお過ごし下さい。