お知らせ
2017-10-27 12:05:00
ライニングの接着
本日はライニングの接着を行っています。
裏板側の、ライニングが取れてしまっていた部分の再接着です。
同時に、他に剥がれが生じていた箇所にも接着作業を行いました。
横板と表・裏板を接着する際、厚さおよそ1.2mmほどの横板だけでは簡単に接着が剥がれてしまうため、補強材として「のりしろ」のような役目を果たしているのがこのライニングです。
上記の接着が完了したら、ひしゃげて隙間が空いてしまっている他の部分にも、再度リコポディウムを流し込む予定です。
いかんせん古い楽器なので、全体を通して思った以上に大掛かりな修理となりそうです。
また、他の箇所のリタッチなども随時進めている最中です。
工房フェルマータでは、様々な修理を承っております。
お気軽にお問合せ下さい。
それでは、本日もご覧頂きまして誠にありがとうございました。
皆さま良い一日をお過ごし下さい。
2017-10-26 11:40:00
横板のリタッチ
本日の工房では、先日の楽器のリタッチを行っています。
昨日リコポディウムで隙間を埋めた後、乾燥させ、鑿やヤスリなどで成形を行いました。
その後、上からニスを乗せ、色を合わせている段階です。
まだ途中ではありますが、隙間の場所は、既に殆ど分からなくなっているかと思います。
今回隙間埋め・リタッチを行ったのは楽器の右下部分の横板ですが、反対側の左下部分の横板と裏板の間にも隙間があるため、そちらも近いうちに接着作業を行います。
左側は今回のようにひしゃげている訳ではなく、単にニカワが剥がれてしまっただけのようなので、そのまま接着を行うことになるかと思います。
昨日の写真と見比べると、一体どこを埋め直しリタッチしたのか、分かり易いかと思います。
工房フェルマータでは、様々な修理を承っております。
当HPよりお気軽にお問合せ下さい。
それでは、本日もご覧頂きまして誠にありがとうございました。
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2017-10-25 11:39:00
横板剥がれ修理
本日は、横板剥がれの修理を行います。
こちらの楽器は、外的な圧力により(おそらく無理にこじ開けられたものと思われます)横板がひしゃげ、裏板との間に大きな隙間が出来てしまい、接着できない状態となっています。
このような状態では、音を鳴らしても隙間から音が漏れてしまうため、音色は勿論、音量・音圧などに関しても、楽器本来のポテンシャルを発揮することが出来ません。
また、本来であればしっかり接着されているべき部分にこのような大きな隙間が有るということは、楽器の強度にも大きな悪影響を及ぼすため、今回はこの隙間をリコポディウムで埋めて対処します。
上記のようにリコポディウムや粉末ガラスで埋める他にも、ひしゃげた横板をまるごと交換したりなどといった修理方法も存在します。
しかしこちらの楽器は、製作されてから既にかなりの年数が経っており、しっかりと木が乾いている状態です。
パーツ丸ごとの交換となると、せっかくの乾いた音色が失われてしまうため、今回はこのような修理方法を取ることにしました。
お手持ちの楽器で何か気になることがあれば、ぜひ当HPよりお問合せ下さい。
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2017-10-24 11:37:00
コントラバスの修理調整
先日の工房では、コントラバスの修理調整を行っていました。
主にマシンヘッドの調整やナットの交換、魂柱・駒の調整などを行いました。
こちらはとある学校の所有楽器ですが、上記の修理を行ったところ、音色や弾きやすさなどに大きな変化が見られました。
今回は、特に上ナットなど、弦の溝が抉れてかなり低くなってしまっていたため、弦高やその他のバランスが変わってしまっており、楽器にとって良い圧力がかかった状態とは言えませんでした。
このナットを新しい物に付け替えたことで、楽器の音色のポテンシャルをより高めることが出来るほか、ナット自体の高さが高くなるため、指板と弦とがぶつかって生じる異音(一般的に"ビビり"などと呼ぶことが多いです)などの防止にもなっています。
これは、コントラバスだけでなく、ヴァイオリンなどのサイズの小さな楽器でも同等の効果が得られます。
良い調整の施された楽器は、指で弾いただけでも、調整前と後とで音色の変化が感じられるものです。
魂柱の位置を少し移動させるだけでも大きな変化が生まれますので、愛器をよりお好みの音色へと近づけたいなどご要望がありましたら、いつでもご依頼お待ちしております。
また、工房フェルマータはヴァイオリン族の修理がメインですが、上記のようにコントラバス修理のご相談もお受けしております。
出来る限り尽力させて頂きますので、ぜひ当HPからお問合せ下さい。
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2017-10-21 10:47:00
指板交換
本日は指板交換を行います。
こちらは指板を剥がした写真です。
今回の楽器は、指板が摩擦で擦り減ってかなり薄い状態となっており、ハイポジションを弾く際などにたわんでしまうため、交換をお勧め致しました。
指板の真ん中に見られる抉れは、接着の際、ニカワ(接着剤)の逃げ道として機能しています。
予めこの部分に溝を彫り込んでおき、指板とネックの間に必要以上にニカワが溜まるのを防ぐことが目的です。
また、指板は、図る箇所にもよりますが、新作楽器では大体5mm程度の厚みがあります。
薄くなると操作性に大きな影響が出てしまうので、もしも薄すぎるようであれば交換をご検討頂ければと思います。
厚い場合は、削り修理を行うことで適切な厚みへと調整可能です。
当HPでも、指板交換修理のご予約を承っております。
ぜひお問合せ下さい。
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